楽しい楽しい旅行に水を差す政局不安・・・
バンコクでは過去2006年のクーデターを始め
2008年、2010年と度々大きなデモが勃発。
その度に旅行業界にも大きな打撃を与えてきています。
そして今まさに
デモまっただ中。
始まった当初(2013年11月頃)にはそれほど大きくならないだろう、
一般庶民や、観光客・ビジネス客には影響は無いと見られていたのですが
徐々にデモの勢力が拡大し、いよいよ無視できないレベルになっています。
と言うことで今回は
<特別編>
宣伝も営業もありません!
今までのデモ活動を振り返り、今わかる限りのデモ情報を現地からお伝えします!!!
これからバンコクへ向かわれる方、
バンコクに関係のある方は要チェックです。
※ざーっくりとしたまとめです。ここに書かれていることが全てではありませんのでご容赦ください。
<そもそもどーしてデモが頻繁に起こるのか?>
まずはタイのデモがなぜ起こっているのかについて整理してみましょう。
ここ10年ほどタイの政治勢力は大きく
タクシン派と
反タクシン派
に分かれています。
この「タクシン」とはタクシン・チナワット氏のこと。
警察官出身の政治家で首相も務めました。
既得権益をことごとく奪う一方、農村や貧困層に対する手厚い政策をとりました。(自身の懐も暖かくしていたようですが。)
しかしこのやり方に既得権益で甘い汁を吸っていた層の反発が募ったため、首相在職中の2006年9月に陸軍が軍事クーデターを起こし、以降タイを追われる身となりました。
クーデターの後、政権は2008年初頭に
タクシン派に戻り、年末にまた
反タクシン派に戻り、2011年7月にまた
タクシン派に戻るというようなことを繰り返しました。この政権交代時に起こるのが
デモであり、それを発端とする
武力制圧・闘争です。
酷い時には死者90名をも出す惨劇となりました。
当時、街中には銃声や爆音が響き渡っていたそうです。
尚、実際にデモ行動を起こし、対峙しているのは
タクシン派のUDD(反独裁民主統一戦線)と
反タクシン派のPAD(民主市民連合)と言う団体。
それぞれ
赤シャツと
黄シャツを身につけて活動をしています。
<今回のデモ、その火種は・・・?>
さて、2011年7月の政権移譲以降、政府は
タクシン派が主導でした。
しかも首相はタクシン氏の実の妹インラック氏。
反タクシン派は面白いはずがありません。
そんなところに
タクシン氏の恩赦法案が持ち上がります。
タイ国内では実刑判決を受け、戻れなくなっているタクシン氏をタイに戻そうという動きです。
これを受けて
反タクシン派は黙っていられません。
そこでデモ活動が行われることになったのです。
<反タクシン派デモ隊VSタクシン派政府の攻防>
まず最初の要求は「恩赦法案の廃止」。
これはあっさりと上院で否決。廃案になります。
しかし一度火がついたデモ隊は次の要求をします。
それが「インラック政権の退陣」。
実の妹であるインラック首相がTOPにいる限り同じことが繰り返されるからでしょう。
ですが、インラック首相は辞任を断固拒否。
それでもデモの勢力が拡大するに連れ、政府は武力衝突を避けたい意向から話し合いを主張しますが
結局押される形で11月9日に下院を解散、総選挙を行うという流れに持って行きます。
それでもデモ隊は納得しません。
なぜなら「総選挙をしても
タクシン派はズルをしてまた勝つに違いない」との見方があるからです。
そのため、今度は「総選挙を止めて新しい平等な議会を作れ」と主張します。
また
反タクシン派の政治家たちは総選挙をボイコットし、他の立候補の立候補届け出を阻止するという実力行使に出ました。
この結果、選挙の実施は不可能との見方が強まっています。
<さて、では今後どうなるのでしょうか?>
反タクシン派はここにきて
バンコク・シャットダウンと称し、
最大規模の活動を
1月13日に実行することを表明。
具体的には
バンコク中の全道路を封鎖する他、
政府庁舎やインラック首相宅などのライフライン(電気や水道など)を止め公務員は
ゼネラル・ストライキ、
政府寄りのテレビ局の乗っ取りなどなどあらゆる手段を講じる予定だとか。また
バンコク市内にステージを設け、大規模集会を開催するとのこと。
しかも
勝利するまで続けるとの宣言付き。
これを受けて政府側は最終手段として「
非常事態宣言」も視野に入れ、対応策を検討中。
非常事態宣言は出れば、今までデモ鎮圧に従事していた警察に変わり、陸軍が登場します。
実はタイ陸軍は2006年にクーデターでタクシン政権を引きずり下ろした張本人。もちろん今でも
反タクシン派です。
その陸軍が
タクシン派政府の言うことを聞かずに、今回もクーデターを起こすのでは?
なども見方もあり、事態は混乱を極めています。
<13日前後にバンコクへご旅行予定の方へ>
現時点では、早速航空各社が該当期間のフライト取消、減便などを発表しています。
これは危険だからというよりは、渡航客が少ないとの読みからですが、まだまだ追従する航空会社も増えそうです。
また13日当日は道路封鎖が宣言されていますので、車での移動は絶望的と言えるでしょう。
地下鉄や鉄道路線に関しては占拠予定はないとのことですが、混乱は避けられないと思われます。
また13日以降いつまで続くかも分かりません。
現在該当期間にご旅行の予定をされていらっしゃる方、特に
旅行会社のパッケージツアーをご予約の方は要注意です。
自己キャンセルの場合、既にキャンセル料金がかかる時期だと思いますが
もし
万が一旅行会社や航空会社で不催行が決定した場合でもこう言った政変などを理由とした場合
旅行会社の免責事項に当たり、返金などが無い場合があります。
詳しくはご自身の契約書をご確認いただくか、販売会社にご連絡下さい。
昨日も13日のデモへの参加を呼び掛ける集会が都会のど真ん中でランチタイムに行われました。
この程度であれば、集会場所を避けて行動していただければ、特に問題はありませんが
13日の規模になると、影響は免れないと思われます。
弊社で得られる新情報は
トラベルコちゃん 現地infoブログにて随時更新中です。
今後の動きにご注意ください!!!